人々は彼の顔の化粧をずっと見ていた
その長い黒髪や肉惑の魅力を笑った

輝くブルージーンの少年が
ステージに跳び乗った
そしてレディ・スターダストは 自分の歌を歌った
 闇と不名誉について

そうして 彼は素晴らしかった バンドも全てが
実に 彼は素晴らしかった 歌は絶えることなく続いた
彼は 恐ろしいほどにイカしてた
実に 完全に 手が届かないほどに
そして 彼は一晩中歌い通した

運命の女が闇から顕現し
この美しい生き物を見つめた
少年達は椅子の上に立ちあがり
自分たちの考えを言い立てた
 僕は…僕が従えない愛に哀しく微笑んだものだ
そして レディ・スターダストは彼自身の歌を歌った
 闇と落胆の歌を

そして 彼は 素晴らしかった バンドも全てが
実に 彼は素晴らしかった 歌は絶えることなく続いた
彼は 恐ろしいほどにイカしてた
本当のパラダイスだった
そして 彼は一晩中歌い通した

ああ 彼らに 彼の名前を知っているかと訊かれたとき
僕は如何に嘆息したことか


lady stardust
album ziggystardust 1972
大意協力:Mi.Y
星屑の伶人 


この歌もまた、グラムと言う概念に異形の意味を付加した歌である。
一説ではマーク・ボランがモデルであると言われているこの歌の
登場人物は人称の倒錯によってまるで、ホリゾントを重ねたかのように
訊くものを惑乱に導く。

ステージに躍り上がる輝くブルージーンの少年とは?

david bowieの声の高音部が非常に美しいこの歌い出しは
聴くものを一瞬のうちに幻惑の坩堝に、陥れる。


闇から溶け出すようなこの美しい歌は
望んで地獄に堕ちる明けの明星のように
空間を満たし何もかもを覆すと
聴くものの魂に何かを置き去りにして
静かにまた闇に溶け込んでいってしまうのだ。

尚、この歌の訳詞についてはTOMOSUKEさんのサイト
BOWIEと蜘蛛の巣のこっそり訳詞集にも掲載されています。
異なる解釈の訳詞をお楽しみ下さい。