何時頃かは判らなかった 薄暗かった
僕はラジオに凭れてた
誰かが「凄くソウルなロックを掛けている」と言った
やがて、凄い音量が消えて行き
聞こえてきたのは揺らめく電波に乗った
ゆっくりした声のようなもの
DJの声じゃない はっきりしない宇宙的なジャイヴだった

スターマンが宙で待っている
彼は僕らに遭いに来たいのだ
でも彼は僕らを夢中にさせると思ってる
スターマンが空で待っている
彼は僕らにふいにしないようにと言った
なぜならそれが、全く大事なものだと知っているから

彼は僕に言った
さあ子供達失うのだ
さあ子供達使うのだ
さあ全ての子供達 ブギーだよ

誰かに電話をしなけりゃって…それで君にしたんだよ
ほら なんて凄いんだ 君も彼の声を聴いただろ?
テレビを付けて2チャンネルで彼を見られるよ
窓の外を見て見ろよ 彼の光が見えるんだ
もしも僕らが合図できれば 今夜降りてくるだろう

父さんには話しちゃいけない
驚いて僕らを閉じこめようとするからさ


starman
album ziggystardust 1972
大意:Mi.Y
異星の男 

ハインラインの小説のようにこの歌の中に登場する異星の男は
自我や単純な自尊心。または物質的な報い、生命の欲求、性愛、あらゆるそれら
地上的束縛から離れた叡智ある存在に思える。
彼は遙か上空にとどまり、子供達にチャンネル2から伝達を送る。

それは革命。
精神の中に起こる。
夢想的に思えるが、実は精神の中に現実的な杭を打ち込む如き
危険な革命が、この歌を聴いた子供達の中には起こったはずだ。
そして彼らにはそんな時電話を掛ける友達がいた。

この歌は1990年のツアーテーマである各地のベストテンをリストセットに
加えるというイベントで、日本のベストワン(即ちステージで歌われた)に選ばれた。
一見、日本のDAVID BOWIEファンの、のどかで、スイートな好みを
反映しているかのように思えるが、この幻惑の革命歌には
選ばれるだけの風格が備わっていると、私は思う。

さあ、子供達、ブギーだよ